明治大学数理工学の杉原厚吉教授がまたもや優れたイリュージョン開発者ぶりを発揮してくれた。だまし絵という二次元のものではく、宇宙の法則を無視したような現実的な三次元アートを作り上げたのだ。どう回しても絶対に右を向く矢印なんて、一体どうしたら存在し得るのか?動画を見ると、何度矢印を90度回してみても本来であれば左を向くはずの矢印が必ず右側を向く。まるでキツネにつままれた気分だ。
その立体矢印を鏡の前に置いてもやはり同じ現象が起こる。鏡の中に移る矢印は何度回しても左側を向いている。でも、どんなカラクリなのか知らないほうが楽しめる!という人はこれ以上先を読まない方がいいかもしれない。そして動画も最後まで見ないほうがいい。実は杉原教授は動画の後半でそのなんとも聡明なトリックを明かしているのだが、残念ながら魔法でも何でもないからだ。
杉原教授は数理工学の知識を用いて、見る角度によって見え方が異なるユニークなデザインの3次元の物体を作り上げたのだ。この立体矢印も、上から見ると完全な左右対称な形をしているが、何の形ともいえない曖昧な形をしている。ところが、別の観点から見ると、上部にある起伏により、片側の角の方がより鋭角に見えるのだ。すると脳はこれまでに見た事のある物とその形を一致させようとする。そう、「矢印」が脳内の当然の選択なのである。
こうしてカラクリが分かってもなお、右を向く矢印にしか見えない「目の錯覚」。何度見ても不思議です。
【ソース:Sploid】
【ソース:UNEXPLAINED MYSTERIES】