アメリカ・アリゾナ州で、子どもの性別お披露目会を盛大な『爆発』で派手にやろうとした国境警備隊所属の男性デニス・ディッキー(37)は、まさかそれが182平方キロメートルを焼失させる「山火事」に発展するなど夢にも思わなかっただろう。
37歳の新米パパになるはずのディッキーは、自身の子どもの性別お披露目会で、爆発すると青かピンクの粉が飛び散るはずのターゲットをショットガンで撃つことを計画していたのだが・・・考えが及ばなかった。まず、ディッキーはターゲットを合法ではあるが非常に爆発力の強い「Tannerite」という火薬を使用していた。そしてターゲットを周辺にメスキート(乾燥地帯でよく見られるマメ科植物)が育つ乾燥した草むらの中に置いていたのだ。
ディッキーがショットガンで撃った瞬間、爆発により青色の煙が上がり赤ちゃんが「男の子」であることは判明したが、それと同時に周囲の乾燥した草むらに引火!一気に火が燃え広がってしまったのだ。もうお祝いどころではない。
炎は凄まじい勢いで広がり、アリゾナ州の高速道路83号線沿い182平方キロメートルを焼き尽くす大規模な山家事に発展し、数百人の住民が避難する騒ぎとなった。
「ソーミル山火事」と呼ばれるこの山火事の鎮火は、800名程の消防士をもってしても約1週間かかり、被害総額数は数百万ドルに上ったという。
「ソーミル山火事」は2017年4月に起きたものだが、馬鹿げた事故が原因であったことが最近米国農務省林野部からArizona Star newspaperを通して公表された。
動画を見ると、爆発のあと乾燥した草むらに火が燃え広がる中、編集で黒く塗りつぶされているが男性が二人カメラの前を横切り、「荷造りしろ!」「え?」「荷造りしろ!」と叫んでいるのが聞こえる。
ディッキーはすぐさま警察に連絡し、誤って火事を起こしてしまったことを報告したという。幸いにもこの山火事で死傷者は出ておらず、建物への被害もなかったが、ディッキーは自身の馬鹿な間違いに対し当然その責任が問われた。彼は許可なく火薬を使った結果火事を引き起こしたことを認め、今年10月賠償金として10万ドル(約1135万円)の支払いと、更に今後20年に渡り毎月500ドル(合計12万ドル)を命じられた。
当初裁判所が請求していた8,188069ドル(約9憶3千万円)と比べればずっとマシだ。
ディッキーには執行猶予5年が言い渡され、この間に同じ過ちを犯さないように訴える公共サービスビデオに出演することも命じられている。
「今回のことは本当に申し訳なかったと思っている。人生最悪な日々だと思うよ。」
とディッキーはコメントしている。
いくら子供が出来たことが嬉しくて「派手に」お祝いしたくても、さすがにこれはやり過ぎだ。