中世から続くブリストル中央図書館で発見された数枚の羊皮紙は、私たちが知っているアーサー王伝説を覆すかもしれない。アーサー王は、6世紀ごろに「円卓の騎士」とともにイギリス軍を率いてサクソン人の侵略から国を守るため戦ったとされている。
歴史上では、いくつかの史実は確認できるものの、その実存は、証明されてはいなかった。
しかし、最近の発見がこれを証明することになるかもしれない。ストラスブールで1494年から1502年にかけて印刷された本の中に手書きの断片化された7枚の羊皮紙が綴じられていた。この本は、大学の特別コレクション図書にあるフランスの神学者で思想家でもあるジャン・ジェルソンの4巻の著作から見つかった。
書かれた内容は、流布本サイクルあるいは、散文のランスロと言われる古いフランス語の作品からきたものであると思われ、研究者は、ページが本に綴じられるという手法からこの方法がイギリスにもたらされたのちの16世紀のものであると考えた。
残念なことに製本の過程で数ページは破損しており、リア・テザー博士によると、
「我々は、貼り付けたものを持ち上げる過程で、もう片方が破損したため単に捨てられたと考えています。この方法は実際に重大な破損につながりますのでこの推察は正しいでしょう。一部が破損しているために、内容を正しく解読するには時間がかかり、赤外線を使うことも必要になるでしょう。」
テザー博士は、この羊皮紙の内容で重要なことは、他のバージョン特に、イギリスで広く知られているアーサー王の伝説とは、違っているということだと述べている。
羊皮紙書かれた内容は、英語のものに比べてより生彩に富み、詳細であるとテザー博士は述べた。
「英語版が、まだ発見されていないバージョンに基づいて書かれたのかもしれないということは大きな意味があります。」
「私たちは、皆、この数枚の羊皮紙によって得られるさらなる内容の発見に興奮が抑えられません。」
誰もが少なくともアーサー王と岩の中の剣に関しては、誰もが知っている。もし、知らないのなら、教えてあげよう。
彼は、少年のときに岩からその剣を抜いたキャメロットの王である。
多くの人は、この名高い剣をエクスカリバーだと思い込んでいるが、実は、岩から引き抜かれた剣は、カリバーンと名付けられ、アーサー王は晩年にエクスカリバーを受け取ることになっている。
アーサー王の物語は、ケルトの人々が子どもたちにインスピレーションを与えるために創った物語だと思っている人もいる。歴史家は、これまでその存在を証明する証拠を見つけていなかった。新しい証拠が示すのは、アーサー王と円卓の騎士たちが実際に生きていたかもしれないということだ。
サクソン人の侵略に関する唯一現存する文書には、アーサー王の名前は一度として登場しない。しかし、ケルトの僧侶であるギルタと紀元前500年ごろに起きたとされるベイドン山の戦いついては書かれている。
実際のところ、アーサー王の名前は、ケルト僧から数百年後ウェールズの歴史家ネニウスの文章にようやく表れる。ネニウスの研究によると、アーサー王は、12の戦いを戦ったが、歴史上誰一人として、このように戦うことは不可能だろう。
多くの人が、アーサー王の物語は、おとぎ話だと思っているが、実在した王と岩の中の剣に基づいた話だということはほとんど知られていない。おそらく最終的には、これが事実かどうかわかるときが来るだろう。