1977年のエルビス・プレスリーの死は音楽界の歴史において非常に大きな出来事だった。しかし、今でも多くのファンが実は彼が自らの死を偽り、アーカンソー州ベントンで歌う牧師として第二の人生を送っているのだという希望にしがみついている。
そう思いたいのも無理はない。一部の陰謀論者が故エルビス・プレスリーとの類似性を指摘して以来、ロバート・ジョイス牧師は随分と注目を浴びてきたのだ。ゴスペルと深みのあるバリトンボイスで知られるジョイス牧師の元には、彼こそがエルビスだと主張する人々が押し寄せた。
エルビス・プレスリーの熱狂的なファンは彼の死を受け入れられず、その代わりに彼が自身の死を偽り、脚光を浴びる世界からきっぱりと足を洗い、アーカンソー州中部の小さな町で神を崇拝し、人々に伝道する静かな生活を送っていると信じたいのだ。
YouTubeでジョイス牧師が歌っているのを見た事があるというトム・メネル氏は、彼はエルビス自身だと確信している。「私は6歳の頃からエルビスのファンで、今は61歳です。私にとってジョイス氏はエルビスで、いつの日か彼が何者か語る日を望んでいます。」
ジョイス牧師の動画の一つにコメントを残したミスティ・サリバンさんは、「私の叔母がメンフィスに住んでいたことがあり、エルビスを見た事があるそうです。さらに叔母はエルビスのコンサートに5回行ったことがあり、動画を見てこれはエルビスだと言っています。」と話す。
他にも、ソフィ・ムーアと名乗る人物は「確実に、顔も体つきも声もあなたよ。あなたの手の動かし方、歩き方、ユーモア、そして笑顔はキング、あなただわ」と語る。
さらに、「私はジョイス牧師の日々の動画をいつも観察しているの。だから心の底から彼がエルビスだということが分かる。エルビスのような人はとても信心深く、穏やかで、親切で、毎日聖書を読み、神とイエス・キリストに関する聖歌を信じていました。ドラッグなんかで自殺するわけがありません。」と熱く語った。
このように、多くの人がジョイス牧師をエルビス・プレスリー自身だと信じているのだが、実はジョイス牧師自身はすでにそれら噂全てが偽りであると述べている。
ジョイス牧師は、自分はエルビスではないと強調し、噂を払拭しようとしたが、エルビスと比較されたことについては賛辞として受け止めているという。
「これらの人々の殆どは私がエルビスでないことを知っていますが、彼らにはそれは問題ではないのです。」
「彼らは、神が彼らの人生を振り返り、祝福してくださっていることに感謝しているのです。」
「恐らく神は、人々の悲しみに打ちひしがれた心と人生を助けるためにエルビスの声を使っているのでしょう。エルビスが生きていたら、私は彼に言うでしょう。私の友人であり兄弟、私たちは魂のうちでは親戚なのですと。キリストの中にいて我々は一つなのです。」
もしエルビスが今日まで生きているとすれば、ロックン・ロールの象徴的歌手であった彼は今83歳を過ぎたところだ。
エルビス・プレスリーは1977年8月16日、精神安定剤誘発性心臓発作により亡くなった。
1973年のプリシラ・プレスリーとの離婚後、彼は処方薬の中毒に陥った。彼は1977年8月にメンフィスの自宅で発見され、現地時間午後3時半にバプテスト記念病院で死亡が発表された。
彼の死後以降、数多くの陰謀論者がなぜ彼が死んだのかという理由と共に、本当にエルビスは亡くなったのかという点について疑問を投げかけてきた。
果たしてジョイス牧師は本当にただの他人のそら似なのだろうか。それともやはり自分の静かな生活を守るためにエルビスがまたもや嘘をついているのだろうか・・・。いずれにせよ、熱狂的なファンにとってジョイス氏の歌声はエルビス・プレスり-そのものなのだろう。
【ソース:Daily Express】