早いもので私の連載コラムも4回目。今回は会話の中でちょっぴり役立つネタを紹介したいと思う。
いきなりだが、これを読んでいるあなたは、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿する際、どうすれば相手を興味を引けるかと考えたことはあるだろうか。
話のネタとして面白い話をしようか、こわーい話をしようか。それともあっと驚くオチをつけようか…などなど。
色々と思い浮かぶことはあるが、作家とはまさに相手を引きつける文章を書くことに特化した職業。興味をひく書き方をいくつもストックしている。
例えば、私は脚本を書く時に大切なことは、話の中に「爆発力」があるかないかだと思っていた。
2015年に放送された人気ドラマ「下町ロケット」でも、ほとんどがみんな怒鳴るように言い合いをしていた。
その爆ぜるような声が、一つの爆発力だった。だから視聴した。
視聴率が高い番組は共通している。どれも音とスピードが耳に残るよう作っている。
韓国ドラマが人気あるのもそれだ。
あれは静かな時が少なく、話さない時は必ず音楽を入れる。
心拍音に近いリズムでセリフが進む。
脚本がどうというより、編集する監督と演出が命だと思う。
というのは、音の高さとリズムが耳に心地よく、そして残るものにしてあげるといいだけなのだ。
私は作詞作曲の他に、音楽や映像のプロデュースなどもする。それは法則に従って作る。
よく霊が近くにいるときは耳鳴りがするとかいうように、超音波のような聞こえない声が流れていたりする。
ホームに電車が入ってくるときに聞える音が、霊が集まる音だとか。だからフラフラと飛び込む人もいるという。
その音はモスキート音のように耳に残らない声だという。
数々の音の中で、もっとも耳に残る音程のひとつが「ラ」の音である。
救急車や子供の泣き声、耳障りに近い音はヘルツも同じという。
いずれも高い音。
ある時、某放送局の支社長に私が作った曲を持って行ったらこう言われた。
「村神さんの声は高いし響くね」
「はい、ラジオとかだと思ってた以上に高くてびっくりします」
「ヒトラーも高い声だったんだから、合ってるよ」
これには一緒に居た曲に参加した歌手や女優が大笑いした。
「ヒトラー? 何でそんな独裁者と私が同じ?」
支社長曰く、人をまとめる、独裁者と言われる人たちは、普通と違う「異論」を唱えてトップに立った。
それは皆、同じく高い声だったという。
異論を唱えるには言葉の爆発力と声の響きが不可欠な要素。
それには耳障りなくらいの高い音、ヘルツを持たないと、人の心をわしづかみできない。
「そういえば、田中角栄も、もっというと織田信長も復元したら高い声だったとか」
「そう、人の耳に残る声の人は忘れられないからいいんだよ」
と。でも私はもう少し重低音の聞いた声でしゃべりたい。
お年寄りに話すとモスキート音のように聞こえないと言われるし。だけど、歌手のかわいい男の子が言った。
「僕は、高い声の方が、高みに引っ張ってもらえる気がします」
「そ、そお?」
「それに村神さんは言い切られるから、それが正しいのかなと勘違いします」
それだけで舞い上がれた。私は単純にできている。褒めたのかどうかわからないけど。
つまり、人の「耳を引く」ためには「ラの音で高くよく響きリズムよく話す事」が効果的なのだと私は思っている。
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