地球上の生物は大量絶滅の危機に直面している。しかも、今回は惑星の衝突などではなく、どちらかというと人間が原因となるのだ。
人類の無制限の人口増加と、資源需要の増加により、6500万年前に恐竜が消失した際に見られたような、生物学的消滅へのカウントダウンが既に始まっているのだ。
過去5億4千万年の間に5回、地球は生物や植物が大量絶滅するという生物学的危機を経験している。
本日(7月11日)公開された新レポートでは、「生物学的消滅」は既に進行中であり、かつて地球を共有していた個々の動物の約半数が失われていると警告している。
さらに、世界を救うのに残された時間は20年であるとも警告している。
終末期の恐ろしい脅威は、National Academy of Scienceジャーナルに掲載された新しい研究で明らかになり、スタンフォード大学とメキシコシティ大学の専門家が更なる研究を続けている。
地球上の大型動物の切迫した絶滅危機は、違法な野生生物取引のための象、サイ、キリンの大量虐殺のニュースと共に日々見出しを賑わしているが、膨大な数の生物の概観も暗い。
過去200万年に渡って、100年ごとに平均して2つの種が絶滅してきた。それが今では、毎年2つの種が絶滅しているのだ。
27,600種の陸上脊椎動物、特に177種の哺乳類の個体数減少について研究することにより、科学者らは「一般的な絶滅低懸念種であっても、脊椎動物の極めて高い個体数減少を示している」と述べている。
この報告書は、生物が被ったいわゆる人為的-人工的被害を強調しており、「過去数十年間、生息地の消失、過剰繁殖、侵略的生物、汚染、被毒、最近の気候混乱、そしてこれら要因間の相互作用は、一般的な脊椎動物種と希少な脊椎動物種の両方の個体数の激しい低下をもたらしている。」と説明している。
しかし、後半で次のように付け加えている。「あまり頻繁に言及されていないが、生物破壊の究極的な原因は、人口の過剰増加と、過剰消費(特に富裕層によるもの)である。」
科学者たちは、消滅する生物の窮状を強調するために、象徴的な動物の個体数の減少を例に挙げた。現在、チーターは7,000頭、キリンは97,000頭しか残っていない。そしてアフリカのライオンの個体数は43%も減少している。
報告書は次のように警告する:「絶滅危機に関して、一般的には数百万種のうちのたった数百種に注目して言及される。既に絶滅したもの、そして将来絶滅の危機に瀕しているもの。しかし、我々の研究では、かつて地球を共有した生物個体数の約半数が既に絶滅していることが示唆されている。」
より悲観的な内容としては、科学者たちが慎重な分析をした結果、一刻を争う状況だと認め、以下のように結論付けたことだ。「このように、6回目の大量絶滅の危機はすぐそこまで来ており、有効な行動ができる期間は短く、せいぜい20年から30年であろう。」
「全ての兆候は、今後20年間で生物に対しより強力に襲い掛かることを示し、人間の生活を含む生物の未来を暗く照らしている。」
報告を受け、WWF(世界自然保護基金)のマイク・バレット氏は、地球上の野生生物を救うための緊急行動を取る必要性を強調した。
彼は「6500万年前の恐竜の絶滅以来、私たちは初めて世界的な絶滅の危機に直面しています。WWFのLiving Planet Reportは、10年以内に野生生物の個体数が1970年代レベルから67%の驚異的な減少を経験すると明らかにしています。」
「森林破壊から、象徴的な種の枯渇まで、人類が世界に及ぼす影響を無視することはできません。わたし達はこれを止める術を知っています。」
「それには、政府、企業、そして私たち一人ひとりが生産・消費・そして自然の価値について再考する必要があります。手遅れになる前に、今行動を始めるべきなのです。」
【ソース:Daily Express】