火山の専門家たちは、今年は特に地震と火山活動の多い年になると予測しており、2018年に噴火の可能性があるとして、世界で6つの火山を注視している。キール大学(イギリス)鉱物学と岩石学の准教授ラルフ・ゲルティス博士、グラスゴー大学(スコットランド)火山学者のケイティ・プリース氏と、サウスフロリダ大学火山学助教授のウィルベイン・シャルボニエ博士が、甚大な被害をもたらす可能性のある6つの火山を特定したのだ。そして、その中になんと日本の霧島山が含まれている。
霧島山(日本)
霧島山は、九州南部の宮崎県と鹿児島県境付近に広がる火山群の総称であり、霧島連山、霧島連峰、霧島火山群とも呼ばれる。中でも新燃岳は、昨年10月に6年ぶりに噴火。噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた。
依然として噴火の可能性があり、専門家たちが注視している火山の一つである。
エーライヴァヨークトル(アイスランド)
アイスランドの南東に位置する火山(標高2,110m)で、ノルディック地方最高峰の火山である。もしエーライヴァヨークトルが1727年以来の大噴火を起こせば、2010年に噴火したエイヤフィヤトラヨークトル火山と同等の被害が予想されている。
エイヤフィヤトラヨークトルが2010年4月に噴出した火山灰の影響で、当時ヨーロッパ全域で交通に混乱が生じた。
ゲルティス博士、プリース氏、そしてシャルボニエ博士は対談の中で「エーライヴァヨークトルは長い休眠から目を覚ましつつある。2017年8月から火山内で地震制微動を観測しており、11月には通常氷に覆われている噴火口の窪みがあらわになった。この現象は通常、火山内部の温度が上がり、表面の氷が溶けることが原因である。」と語っている。
ムラピ山(インドネシア)
ジャワ島にある標高2,930mのこの火山は2010年の噴火で400名もの犠牲者を出し、依然として世界で最も危険な火山の一つである。昨年は同じインドネシアにあるバリ島アグン山が話題に上ることが多かったが、真に恐れるべきはムラピ山だと専門家たちは警鐘を鳴らす。
「ムラピ山はその噴火頻度と、裾野の人口密度の高さから、最も危険な火山の一つと言えます。」
ビジャリカ火山(チリ)
ビジャリカ火山はチリで最も活発な火山である。標高2,847m、麓の町プコンを見下ろすこの火山が最後に噴火したのは2015年3月。溶岩と火山灰を数千メートル上空に噴出し、プコンの全住民が避難した。そして今、専門家たちはビジャリカ火山の再噴火を警戒している。2017年11月中旬頃から、火山性地震と溶岩溜まりの活動が活発化してきており、溶岩噴泉は150mの高さにまで上がってきているという。
ポポカテペトル山(メキシコ)
メキシコシティから70km離れた、標高5,426mのこの火山は北アメリカで2番目に大きな火山である。2000年に噴火して以来16年ぶりとなる2016年に噴火。火山灰を脅威の上空3kmまで吹き上げた。それ以来継続的に噴火している。現在メキシコで最も活発な火山だ。
キラウエア火山(ハワイ)
キラウエア火山はハワイの5つの火山の中で最も若い火山だが、最も活発な火山でもある。ハワイ島の南部に位置し、その600,000年の歴史の中で常に噴火し続けているのだ。今後も山頂とPu’u’’O’o ventからの噴火が続き、海に溶岩が流れ込むと専門家たちは警告している。
地震や噴火などの自然災害は人間がどうこうできるものではないが、噴火の可能性があることだけでも分かっていれば、備えだけはできるかもしれない。
【ソース:Daily Express】