先日、20年以内に脳内に縮小化したコンピューターを埋め込み、テレパシー能力が備わったスーパーヒューマンを生み出すことに情熱を燃やす医師についてお伝えしたが、どうもそんなインプラントをすることも、20年待つこともないかもしれない。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者がテレパシーを使ってパソコンに話しかけられる新デバイスを開発した。
研究者のアルナヴ・カプールと、パティ・メイズ教授はデバイスのプロトタイプAlterEgoをMITのメディアラボで開発。このテクノロジー主導の世界で既に大きなメリットがあることを見越している。
装置は、フックで右耳に装着するように出来ており、頬・上顎・下顎など7か所のキー領域に沿ってセンサーが設置されている。これらセンサーが音声に関する神経筋信号をキャッチして、高性能のAIアルゴリズムを使って「翻訳」する。
現在AlterEgoは0から9までの桁数と約100単語を認識できる。
さらに装置はGoogleに質問できるプログラムにリンクされ、質問の回答は内臓のヘッドフォンを通して提供される。つまり思考だけで膨大な知識データベースにアクセスすることが可能となるのだ。
研究者の実験の一つでは、被験者はこのシステムを利用して、チェスの試合で対戦相手の動きを報告し、コンピューターが推奨する次の手を静かに受け取った。
別のテストではカプール氏がニュージーランドの時間を聞かれると、コンピュータースクリーンに答えが表示されると同時にAlterEgoがヘッドセットを通して囁いた。
装置が利用者の脳内言語パターンを認識するのには、現在31時間のトレーニングが必要だ。しかし、カプール氏は使えば使うほど、より正確性が上がると考えている。
「開発の動機は、IA装置、つまり知能強化装置を創ることでした。」とカプール氏は語る。
「発想はこうです:人間と機械を何らかの形で融合させ、自身の認知能力の内部拡張のように感じることができる、より内部的なコンピューター基盤のようなものを持てないだろうか?」(同氏)
更にメイズ教授は、我々は基本的に携帯電話やデジタル機器なしでは生活できないが、現在こうした機器の使用は多くのことを中断させると説明した。
「もし私が誰かと会話している内容に関連することを調べようと思ったら、まず携帯電話を探してパスワードを入力し、アプリを開いて検索ワードを入力しなければいけません。そしてその作業をする間、私の意識は周囲の環境や一緒にいる人たちから、完全に携帯電話に移ってしまいます。」
「そこで、人々がこれら電子機器の素晴らしい知識やサービスの
とイーロン・マスク氏の脳科学ベンチャー企業Neuralinkも、直接脳信号を用いた脳コンピューターインターフェースに取り組んでいる。
【ソース:Daily Express】