もしあなたが難しい決断を迫られているのであれば、「直感」を信頼してみるといいかもしれない。実は、これまで私たちが霊感などスピリチュアル的な物だと考えてきた「第六感」や「本能的直感」は、私たちが誤った判断をしない為の脳からの「赤信号」であることが最新の研究で分かってきたのだ。
私たちの「第六感」は、自身を落ち着かせた上で状況判断をさせたり、または完全に危険を回避するための精巧な防御システムだと研究者らは言う。
米フロリダ州立大学による研究で、これまであまり理解されていなかった脳腸神経回路について理解を深めることとなった。研究の共著者でフロリダ州立大学神経科学者のリンダ・リナマン博士は「直感に関する神経科学は大きな進歩を遂げてきました。毎日貴重で新たな学びがあるのです。」と語った。
胃腸管は皮膚表面の100倍以上大きく、体内の他臓器系よりも多くの信号を脳に送り出す。
それは臓器から臓器へと張り巡らされた超高速信号伝達神経である迷走神経を通じて脳に伝えられる。神経は、脳から身体へのトップダウンメッセージと、「直感」と一般的に言われるボトムアップメッセージを伝達する。
脳腸間で大量の情報伝達が行われていることは明確である一方、科学者らは「直感」と呼ばれる感情がどれだけ意思決定に影響を与えているのか判断に難航していた。
新しい研究では、リナマン博士は同じフロリダ州立大学のジェイムス・マニスカルコ博士と共に、「直感」に関する最新の研究結果をまとめた。
それによれば、胃腸管からの神経信号は、私たちが過ちを犯さない為の「赤信号」として機能するようだ。伝達されたメッセージにより、危険な状況を避けたり、ドーパミン神経回路網(脳内報酬系)を遮断する効果がある。
そしてこれは特に「気にかかる心配な状況」や「切迫した状況」で私たちの感情や行動に大きな影響を及ぼしていることが分かってきたのだ。
「迷走神経のフィードバック信号は非常に保護的で、注意を促すものです。」とリナマン博士は言う。
充分な食事が摂れないと、直感の保護的で注意を促す信号が揺らぎ、気分や行動を変えてしまうことに繋がることが証明されている。
例えば、高脂肪な食事は胃腸管に炎症反応をもたらし、迷走神経からの信号を変化させ、不安や鬱病の症状を引き起こす可能性があるとリナマン博士は述べている。
更に、腸内細菌の種類は食事によって決まり、それら最近が感情や認知状態に影響を与える可能性があるとリナマン博士は付け加えた。
「プロバイオティクスなどを摂取し、食事内容を改善することで、気分や行動に影響を与える可能性があることを数々の証拠が示しています。」(リナマン博士)
しかし、一体それはどういうことなのだろうか。本当に腸内細菌が関係しているのだろうか。また、それら腸内細菌がどのように迷走神経を介して脳に信号を送るのだろう。この分野の研究はここ数年で爆発的に増加したものであり、現在のところはまだ明確な回答よりも多くの疑問が残る。
【ソース:Daily Mail】