NASAの最新の研究により、太陽系には推定の7倍以上の数の巨大彗星が存在することが判明した。これらの彗星は、太陽を周回するのに数百年から数千年かかるため発見に時間がかかった。この度の研究でやっと姿を現したばかりなのだ。
Near-Earth Object Wide-field Infrared Survey Explorer (NEOWISE): (NASAの赤外線天文衛星)を使い、NASAジェット推進研究所の専門家たちは長さ1km以上にもなる宇宙物体の発見に貢献した。
専門家たちはこれら彗星の多くはオールトの雲から漂流してきたものと考えている。【オールトの雲:太陽系のはるか外縁を回っている微惑星の群れ。近くを別の恒星が通ると軌道が乱され、一部は太陽の方へ落下し彗星になるとされている】
研究主任である米メリーランド大学のジェイムス・バウワー氏は言う:「我々が思っていた以上に、オールトの雲から古代物質の巨大な塊がいくつもこちらに向かっているのです。
「彗星の数は太陽系形成から取り残された物質の量を物語っています。」
共同研究者のエイミー・メインザー氏は、今回発見された彗星は将来地球に危険をもたらす可能性があると付け加えた。
「彗星は小惑星よりも速い速度で移動しており、また一部の彗星はとても大きいのです。」
「今回のような研究は、長期的に見て彗星がどのような危害を及ぼすのか定義するのに役立ちます。」
また研究チームは、このまだ遥か遠方にある彗星が「木星彗星群」として知られるものと比べてはるかに大きいことを発見している。
木星彗星群の彗星は、太陽系最大の惑星(木星)により太陽に近づくため、彗星物質の多くはそれまでに剥がれ落ちていく。
バウアー氏は次のように述べている。
「今回の研究結果は、木星彗星群と今回発見された長周期の彗星にはその成長過程に違いがあることを意味しています。」
今すぐに彗星が衝突するというような話ではないが、推定以上の危険は宇宙規模でいえばすぐそこにあるということだろうか。
【ソース:Daily Express】