機能停止した中国の宇宙ステーション「天宮1号」が、今週末にも危険な火の玉と化して地球に落下する予定だ。その際、破片の一部が世界中のどこにでも落下する可能性があると専門家らが警告しているのだ。
制御不能の「天宮1号」は現在デススパイラル状態にあり、今週金曜日(30日)から月曜日(4月1日)の間に大気圏に再突入すると見られている。宇宙ステーションの大部分は再突入の際に空中分解し燃え尽きるが、その灼熱と圧力を耐え抜いた一部部品が時速28,000kmという猛スピードで地上に衝突する可能性がある。
科学者らは最近、追跡レーダーに、激しく回転しながら地球に近づく中国宇宙ステーションを確認した。その驚愕のレーダー画像は、「天宮1号」が想像も付かない程の高速度で宇宙空間を疾走しながら地球大気圏に近付いている様子を映し出していた。この様子に、科学者らも金属の塊が地面にまで到達する可能性を認めざるを得ないようだ。
このレーダー画像を捉えたThe Fraunhofer Institute for High-Frequency Physics and Radar Techniquesは、「中国宇宙ステーション「天宮1号」は地球大気圏再突入の際にその大部分が燃え尽きるでしょう。ただ、一部デブリスが地表に達する可能性はあります。」と話す。
またオーストラリアに拠点を置く「電波天文学研究国際センター(The International Center for Radio Astronomy Research)」のマーカス・ドレンスキー氏はCNNに対し、「無数の火球が上空を横切ることになるでしょう。地球上層大気の周縁部により機体が徐々に減速するにつれ、本体の崩壊の時が近づいています。」と語った。
宇宙ステーションは、下記画像の落下予想エリア内にある地域であればオーストラリア、イタリア、アメリカどこに落下してもおかしくないという。そこには東京も入っている。
さらに悪い事に、なんと宇宙ステーションは「長時間被爆により癌を引き起こす」と言われる有毒なヒドラジンを大量に含んでいるのだ。
とはいえ、実際はデブリスが頭上に落下してくる確率は非常に低いといえる。
1997年に燃え尽きたデルタロケットの一部破片が落下した際、一人の女性が肩に軽傷を負ったが、宇宙デブリにより怪我をしたのは後にも先にもその女性一人だけだ。
運良く、無数の火球が観測できる程度で終わってほしいものだが、万が一空からの落下物を見つけても容易に触ったり持ち帰らないことだ。
【ソース:Daily Express】