【By: Cats In Black Dresses】
私はかなり変わった子どもでした。私を知る人は父を含めて皆そう言います。自分自身かなり変わった子どもだったと自覚しているくらいですから。
世の中、小さな子供が過去世について覚えていたり、様々な超常現象に遭遇する話が数多くあります。よく思うのですが、それは想像力豊かな小さな子供特有の空想話なのでしょうか。それとも、本当にそうした異世界と繋がりやすいのでしょうか・・・。
私が、ほんの小さな子供では知り得ないようなことを話し始めたのは2歳の頃でした。
もちろん、2歳の頃など自分ではあまり覚えていませんので、一部両親や祖父母など周りの人から聞いたこともあります。ただ、全員が全員、私の当時のある言動について全く同じことを言うのです。
私は、お喋りが出来るようになったすぐから、両親の「お葬式」について話したり、両親がどこに埋葬されているのかについて話していました。当然私の両親は元気に生きていましたし(今ももちろん生きています)、両親が私にそう言うと、私は必ず「もう一人のママとパパのことだよ」と答えていたそうです。
ベビーカーでソルトコーツの町にある教会を通り過ぎた時には、「この中でママとパパのために泣いたの」と突然話しだし、両親が言うには私は黒いドレスを着ていたと話したのだそうです。
世の中のことについてまだほとんど何もしらない幼い子どもが葬式についてこのように話せる知識があるのは奇妙だと思いませんか?当時私はお葬式など行ったこともありませんでしたし、そんな知識が私の中にあったというのが不思議で仕方ありません。
他にも、バスでアーバイン・タウンに向かう途中、スティーブンソン墓地を指さして「あそこにママとパパがいるの」と言い出したそうです。もちろん2歳児に墓地に人が埋葬されているなどという知識はありません。母は、私の言動を聞いて怪訝そうな顔をしている他の乗客に「子どもの想像力というのは突拍子もないもので・・・」とでも言いたげな表情で笑顔を作るのに必死だったそうです。
正直、母はこの私の言動が当時怖かったようです。当時私は常に「もう一人のママとパパ」が私を捕まえに来て、連れ去られてしまうという恐怖に怯えて、時には実際に隠れてしまうこともありました。母はずいぶん心配したようです。
当時のことを自分で思い出そうとすると、確かに本当に怖がっていたことと、「もう一人のママとパパ」が本物の記憶としてあったことを覚えています。私にとって、別の両親がいることについて話すのは何ら不思議なことではなく、それがいかに不可能でおかしな話なのか本当の意味ではいまだに理解していないのかもしれません。記憶の中では当時の私にとって本当に「別の両親」は存在していたのです。
特に覚えているのが、両親(生きている方の)が映画に出掛けるため祖母の家に数時間預けられた時のことです。私は当時も今も祖母とはとても仲が良く、祖母といるといつも安心感があります。
祖母の家に行くと、私はいつものように祖母の家にある私のおもちゃで遊びました。私は祖母の家が大好きでした。
しばらくすると、何故かリビングから出なければいけないような気がしてきました。
リビングの後ろにある窓をみると、二人の男女の顔があり、私をじっと見ているのに気づき、恐怖を感じたのを今でも覚えています。まるで外から丸見えの水槽の中の魚になった気分で、どれだけ祖母が私を慰めようとしても全くその恐怖は消えず、私は外から一切見えない、祖母の家の台所に隠れたのです。祖母が「なんでそんな所に隠れているの?」と聞いたことに対して「もう一人のママとパパが窓にいるから」と答えたことを今でも覚えています。
祖母はそれを何か私が考え出したゲームか何かだと思ったようで、そっとしておいてくれました。結局、私は両親(生きている方の)が帰ってくるまでずっとそこに隠れていました。
帰ってきた父が戸棚と戸棚の間の隙間に隠れている私を見て「なんでそんなところに隠れているんだい?」と聞いたことに対してやっぱり私は「ママとパパが窓から私を見ているの」と答えました。
父は戸惑ったようでしたが、さすがにもう私のそうした不思議な発言に慣れていたのか、ママとパパはもう家の中にいて、私を傷つけたりしないと説得しようとしましたが、私はハッキリと「違う。もう一人のママとパパのこと」と言った記憶があります。
まるでその別の両親が死の世界から戻ってきて、私を取り戻しに来たようなそんな気分でした。私の記憶が確かなら、当時その別の両親に対して良いイメージが無かったように思います。いまだに、そのことを思い出すと背筋がゾッとしますし、家族で集まると今でも話題にのぼります。
幼い頃の私は前世か何かの時の両親の姿を見ていたのでしょうか。それとも只の空想だったのでしょうか。
【ソース:Your Ghost Stories】