【By:GSDLady:カナダ】
これは昨年の夏、カナダ・ケベック州ポワント・ガティノーにある我が家の隣のアパートにレベッカという若い女性が引っ越してきた時の話です。
引っ越してきてすぐのある朝、レベッカが私の家を訪ねてきたのです。見るからに恐怖に怯えた顔をして。私は家に彼女を招き入れ、何にそんなに怯えているのか聞きました。彼女の家には引っ越してきた時から1970年代の重厚な木製のダイニングテーブルセットが備え付けられていたそうです。その朝、彼女がキッチンカウンターにいると、突然その重い木製のダイニングチェアが自らひっくり返り、キッチンの床の上を滑っていったというのです。私は彼女の部屋に行き、倒れた椅子を起こし何が原因か探ろうとしましたが全く分かりません。とりあえず、また何か怖い現象が起きたらいつでも私の家に来ていいわよと彼女に伝え、レベッカもそれで少し落ち着いたようでした。
それから数日後、レベッカが朝起きるとキッチンの大きな冷蔵庫が倒れていたと言って来ました。彼女は「冷蔵庫を倒せるほど力があるなら、私は何をされてしまうの?」とそれはそれは怯えていました。
冷蔵庫の件から1週間ほどした頃でしょうか。またレベッカがパニック状態で私の家に逃げ込んできて、今すぐ部屋に来てテレビと電気スタンドを見てくれと言ってきました。私たちはすぐさま部屋に戻り、そこでテレビが勝手に点いて次々チャンネルが変わっていき、最後に勝手に消えるのを目撃しました。さらに、リビングの角に置いてある電気スタンドは勝手に点いたり消えたりしていたのです。私はテレビのリモコンを掴み、電池を全て抜き取ってみました。ところが、リモコンも取り出した電池も私の手の中にあるにも関わらず、またテレビが勝手に点いてチャンネルが次々変わり、音量も勝手に大きくなり、そしてまた消えたのです・・・。私は静かにリモコンをコーヒーテーブルに置き、心の中で「またか・・・」と思っていました。(私は過去にもこうした心霊現象を経験しているのです。)
その数日後、朝一でレベッカがやってきて、前の晩、彼女の寝室のドアが勝手に開き、廊下を歩く足音がしていたと訴えてきました。彼女は涙目で、疲労困憊しており、もう一人でアパートにいるのは限界のようでした。そこで私たちは二人でアパートに行き、もう一度見て回ることにしたのです。
しかし今回私はとても「それ」に対し怒りを感じていました。彼女の寝室の外の廊下に立ち何が/誰がいるのか確かめようと聞き耳を立て、出来ることなら、「今すぐこの部屋から出ていけ!」と念じていました。すると、驚いたことに、またレベッカにとっては恐ろしいことに、彼女の寝室のドアが突然大きく開いたのです!私がじっとそこに立っていると誰かが横を通りすぎるような感じの微かな風を感じました。「それ」はそのまま廊下を進み、リビングを通り抜け、玄関へと向かっていきました。そして、私たちは「それ」が玄関のドアノブのハンドルを下げ、玄関を開けたかと思うと、外に出ていきざまに乱暴にバタン!とドアを閉めていくのを目撃したのです。レベッカは失神寸前でした。
私たちは実際に誰かを目で確認できたわけではありませんが、確実にその誰か/何かは彼女の部屋から出ていったのです。
私は努めて明るくこれでもう大丈夫だとレベッカに伝えました。「まぁ、あれが何であったにせよ、玄関から出ていくところを二人で目撃したんだから、もう大丈夫よ!万が一また何かあったらいつでも言ってらっしゃい」
数か月後、レベッカは「それ」はその日以来二度と戻ってくることはなかったと言っていましたが、結局彼女はアパートから引っ越していきました。もちろん、本当に「それ」が居なくなったのかは、新しい入居者が入ってからわかることですが・・・。
【ソース:Your Ghost Stories】