アメリカのテレビドラマ『ヴァンパイア・ダイアリーズ』の大ファンで、自身を本物の吸血鬼でドラマヒロインのエレナ・ギルバートだと信じ込んでしまった22歳の女性に、懲役2年半の判決が下される事件がロシアで起きていた。
事件は今年2月、ロシア・ノヴォシビルスク市で起きていた。超常現象がテーマのゲーム及びテレビドラマの大ファンだという22歳のエカテリーナ・チルスカヤは今回の被害者となった男性とSNSを通じて知り合った。オンライン上で仲良くなった二人は、直接会いデートをすることに。そして報道によれば、男性は帰り際に「一杯飲んでいかないか」とエカテリーナを自宅に誘ったのだという。エカテリーナはそれに同意し、よくあることだが二人はそのまま一晩を共にしたのだ。
ところが、翌朝事態は一変。後に男性が警察に語ったところによると、翌朝隣にいたのは、昨晩一緒に過ごしたはずの女性とは全くの別人かと思えるほど凶暴な、血に飢えた吸血鬼女だったのだ。
男性によれば、エカテリーナは朝青白い顔して起きてきて自分は吸血鬼なのだと突然カミングアウト。だがそういった超常現象を全く信じていなかった男性はとんでもない女を連れ込んでしまったと、エカテリーナに部屋を出ていくよう命じたのだそうだ。
ところが、その後男性がバスルームへ行こうとしたその瞬間、突然エカテリーナがナイフを持って男性を刺そうとしたのだ!衝撃を受けた男性は何とか彼女の腕を掴み、ナイフを振り落としたのだが、エカテリーナはすぐに別のナイフを掴み再度襲い掛かってきた。今度は胸元にナイフが刺さり、男性は命からがら近所の家に助けを求めに走ったのだという。
幸運にも近所の人たちがすぐに男性の救出と、エカテリーナの確保、そして別の人が警察を呼んで事件は収束。警察の発表ではエカテリーナは事情聴取をされると平然と自分はテレビドラマ『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のエレナ・ギルバートで、天敵であるオオカミ男を殺そうとしただけだと答えたそうだ。
その後の精神鑑定でエカテリーナはいたって正常であることが判明。懲役2年半を言い渡され、さらに男性に対して精神的・身体的苦痛への賠償金として$5,000の支払いが命じられた。
被害者の男性に命の別状はなかったが、精神的にはいまだ立ち直っていないという。
男性は事件のショックで職を失うことになり、今でもインターネット上で出会ってしまった「吸血鬼」の悪夢を見ると心理カウンセラーに訴えているとのことだ。