高橋五郎先生インタビュー・其の壱(1/4)

高橋五郎先生インタビュー・其の壱(1/4)

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高橋五郎先生インタビュー・其の壱

自分は「作家ではない」

 

━━━━ 著作の原動力というか原点はどこにあるのでしょう?

まず、自分はいわゆる「作家ではない」ということ。
ノンフィクションでもドキュメントでもない、自分の仕事をやっているだけなんですよ。
ライフワークに近いよね。それを振り返って、手記を書いているようなものかな。
けっして作り物じゃないんだ。私の生き方、生き様そのものなんですよ。

 

━━━━ 大きな原体験があったと伺いましたが…!?

そうそう。子供の頃のある体験が始まりかな。
私は焼津の網元の倅でね。ある漁船が港に帰ってきたんだ。私はその船を見に行ったのですよ。
ちょうど中学生位の時。実は当時その船について日本では大騒ぎになっていたんだね。
ビキニ環礁の水爆実験に遭遇して“死の灰”を浴びた「第五福竜丸」(遠洋マグロ漁船)がそれだったんだよ。
その船が積んでいたマグロは商品にはならないから埋めたんだね。次の日には一本も無かったから。
そういう事件に遭遇したんだよね。

 

━━━━ 日本を揺るがした大事件に遭遇する運命とは…

後に原爆の本(「原爆奇譚」)なんかも書いたけれども、それは図書館とか資料に当たって書いたものでは決して無いんです。私の実体験からスタートしているものなんです。そんな原爆とが知りたくて知ったわけじゃない。
私が書いたものは、そういう運命的なものの積み重ねなんですよ。

 

“原爆マグロ”から「天皇の金塊」へ

 

━━━━ 先生が目撃した船の積み荷であるマグロなんですが、あれは確か…

そうらしいね。築地市場の豊洲移転問題がクローズアップされているけど、奇しくも「第五福竜丸」の“原爆マグロ”は築地市場のどっかに埋められているそうだね。

 

━━━━ 世間を揺るがす事件に不思議に縁がありますね

偶然に過ぎないのかもしれないけど、節目というか運命の潮流に触れている時があるよね。

━━━━ 先生の著作には不思議な運命の積み重ね感じます。「天皇の金塊」はまさにその集大成ですね。

私が現してきたものには、作家とかドキュメントとか、そんな創作的な発想は頭に無いんです。ひたすらに生きてきた証(あかし)なんですよ。
「天皇の金塊」は、日常の会話で言えば、子供に向かって「誰のお金で学校行ってるんだ」「お父さん」と言うわけだけど、それを「天皇陛下のお金」だと言ってるわけですよ。端的にね。さらにこの島国だけじゃなく、大陸の国々も同じですよと。

 

━━━━ 為政者というか、支配層は困りますね。

世の中にその認識がないまま「歴史」や「哲学」とかごちゃごちゃと語るのは、私からすると「何をやっているのか」と。

教科書に載っていることは、「お金持ち」のための情報だよと。真実はそこには無い。「支配者」の作った歴史に乗っかったままあーだこーだとやっても誰も真実が分からなくなっている。学校行って勉強して良い会社行って…明日は良くなる…って全然良くならない(笑)。
ホラ吹かれてるのですよ、100年以上も。

 

(次回、其の弐へ続く)

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