アフリカ大陸は分断されてしまうのだろうか。ケニアの地溝帯に突如現れた巨大な地割れに専門家たちは大陸分断の始まりの可能性があると指摘している。
巨大な地割れ
3月19日、大雨の後のケニアで巨大な地割れが出現した。地割れは幅約15m、深さ約15mで、数キロに渡って伸びており、まるでその地域一帯が分断してしまったように見える。報告によると、地割れは今も進んでいるという。
地割れは、ケニア、ナイロビ西部のマイ・マヒウ=ナロク・ロードと、複数の家を真っ二つに分断。住民の72歳の女性は、家族と食事中に突然家が2つに分断されたと語る。今のところ、地割れは岩やセメントで埋め戻され、道路は復旧している。
アフリカ大地溝帯
地球の地殻は、いくつかのプレートに分かれていて、地表では分からない程度にそれぞれが様々な速度で少しずつ動いている。この動きによりプレートが裂けたり隆起することで、新たな境界を作り出すこともある。
アフリカは、西側がヌビアプレート、東側がソマリプレートの上に乗っている。その接点となるのがアデン湾からジンバブエまで全長約3,000kmにもなる東アフリカ地溝帯と呼ばれる場所だ。この地溝帯は地下の通常より熱いマントルプルームがあることから、活発な地溝帯として知られている。
地質学者のDavid Ahede氏によると、今ソマリプレートはヌビアプレートから年2.5cmの速度で離れるように移動しいるらしい。移動源はススワ火山であり、この移動は地殻の奥深くで起きている地質学的プロセスであるため、止まることはないという。
5000万年後には大陸分断
今回の巨大地割れ自体は非常に気掛かりではあるが、専門家たちは実際に大陸が分断するのは5000万年先だという。ロイヤル・ホロウェイ大学の断層力学研究グループ博士研究員のルシア・ペレズ・ディアスによると、このような大陸変動は地震活動の原因となり、地溝帯全体で起きるが、その規模は小規模だということだ。ただ、今後も今回現れた地割れのような分裂は小規模ながらも起き続けるらしい。
【ソース:Tech Times】