大自然とは奇妙で、素晴らしい世界だ。しかし稀に生物学者でも驚くような変わった生物に出くわす。本当に、超絶変わった生物に・・・。
今回ご紹介するこの一夫変わったクモはエクアドルのアマゾン熱帯雨林で自然科学者のアンドレアス・ケイにより2017年7月に撮影されたものだ。もう見た目といったら、小さな黒犬の頭か、もしくは後ろから見ると黒うさぎにしか見えない。
ズームしてみるとなんだかちょっと怖い気もするが、実はこれ、親指ほどのサイズしかない。で結局この生物は何なのだろうか?
まず、見た目はクモっぽいがこれ実はクモではない。
次に、フォトショップで加工されたものでもなければ、光の加減や写真撮影のトリックでもない。間違いなく、こういう見た目の実在する生物なのだ。
この生物の名前は「バニー・ハーベストマン」。日本語名ウサギザトウムシだ。
地球上に6,650種類以上存在するクモ網・ザトウムシ目に属する生物で、そうとう大昔から存在する生物のようだ。
見た目とは異なりザトウムシに毒性はなく、全く無害だ。ザトウムシは少なくとも4億年前から地球上に生息していたといわれている。
初めて発見されたのは1959年。ドイツの蜘蛛研究専門家が発見したのが最初だ。
それから約60年以上だった今でもなぜこの生物がこんな奇妙な見た目をしているのか科学者たちもよくわかっていないようだ。何かしらの理由があって黒い身体と耳のような突起、目を模した黄色い斑点があるのだろうが・・・。
ちなみに本当の目は画像で鼻のように見える部分だ。
今回撮影したケイ博士の仮説によれば、このユニークな形により天敵に対し身体を大きく見せているのではないかと考えられている。しかし実際のところはわからない。
というのも、発見以来60年間この生物に関してほとんど研究が進んでいないからだ。それはエクアドルが1660種以上の鳥類、約4000種の蝶類、500種以上の両生類、4300種以上の蘭など、とにかく動植物の種類が豊富で、研究対象があまりに多いからだと推測される。
結果、「バニー・ハーベストマン」はちょっと愉快で謎の生き物に留まっている。
だが、こんなちょっと可愛い奇妙な生物がまだ存在するのだと考えるだけで幸せな気分になる。
地球上にはまだまだこうした未発見の奇妙な生物が他にもいるのかもしれない。