民間伝承によれば、人魚とは上半身が人間で下半身が魚のような水中生物のことである。これら「神話的生物」は近東、ヨーロッパ、アフリカ、アジアを含む世界中の古代文化の中でその存在が語られてきた。
そんな中、グレートバリアリーフで撮影され、2010年にYouTubeにアップされたある動画が再びインターネットを騒然とさせている。なんと、人魚が海中の少し離れた場所を泳いでいる姿が映し出されているのだ。
これを、人魚が撮影された最も素晴らしい動画だと称賛する人々がいる一方で、誰かが安い人魚コスチュームでも着てそれらしく泳ぎ、ネット上で話題になるよう創り上げただけのものだと言う人達もいる。
果たしてこれは何なのだろうか。本物の人魚?
Marginal MediaによりYouTubeにアップされたその動画は、270万回以上再生されており、もう一つの動画に至っては400万回も再生されている。それくらいネット上で注目されているということだろう。
撮影者は、自身が購入した水中ケージをテストするためにオーストラリアのグレートバリアリーフに行ったと説明している。動画は2回撮影され、左側の動画が1回目、右側が2回目に撮影されたものだ。1回目の撮影時、彼は背後に何かの気配を感じたというが、人魚の存在に気付いたのは後から動画をパソコンで確認した時だったという。
人魚の謎
一部の人はこれを究極の人魚実在の証拠だと言う。
「これは本物だよ。人魚は泳ぐのに腕を使わないし、尾びれの曲げ方もスムーズで流れるように自然だ。そして、あの動きの速さだよ!でも、人間は人魚のことを発見すべきではないと思う。見つかれば捕まえられて、悪用されるだけだから。」
その一方、このビデオは何の証拠ともならないとして懐疑的なスタンスを貫く人達も当然いる。しかし、それでもこれを人魚実在の証拠として見ることから人々を遠ざけることは出来ない。
結局のところ、多くの人々が今でもサンタやトゥースフェアリー(抜けた歯を枕の下に置いておくと歯の妖精が持っていってくれて、代わりに硬貨を置いていくという民間伝承)を信じている現在、誰が人魚を信じる人達を責められるだろうか。
しかも、もっと真面目な話をすると、世界中の大多数の人間が、神が世界を7日間で創造したと固く信じている。さらに言うと、大多数の人が地球上の最初の人間はアダムとイブであったと考えていて、天地創造説支持者は神がこの世界を創造したのはおよそ6,000年前であり、ノアの大洪水があったのが4,400年前だったと確信している。
ところが、実は現生人類はこの地球上に30万年以上前にすでに存在していたという十分な証拠がある。つまり、初期人類の証拠は天地創造説支持者が考えるよりずっと昔に遡ることができるということだ。
このように、人類は考えられていたよりも遥か昔からこの地球上に存在していたという確固たる科学的証拠があるにも関わらず、やはり大多数の人々は神が人間を創造したのは今から
人魚が実在するということが言いたいのではない。そしてここで宗教や天地創造について議論がしたいわけでもない。
私がここで示したいのは、人々というものは十分に揃った科学的証拠が相反するものを示していたとしても、自らが信じたいことを信じるということだ。
また人間は見たこともないものを信じるという傾向もある。
それが人間というものなのだろう。
つまり、人魚が実在すると信じている人達がいたとしてもそれは何らおかしなことでも何でもないということだ。人魚が実在するのか、この動画が本物なのか、それは筆者にも分からないが、少なくともこの動画が衝撃的で非常に興味深いものであることは確かだ。
【ソース:ancient-code】