「右利き」「左利き」があるのは人間だけではなく、なんと猫にもあることが最近の研究でわかってきた。
階段を降りる時、トイレに足を踏み入れる時など、猫にはどちらの足を先に踏み出すかの利き足があるらしい。しかもなんと、メスかオスかで利き足が分かれるというのだ。
研究チームによれば、「利き足」を調べることで、動物のストレスに対する脆弱性についての理解を深められるという。
「左利きの動物は、情報処理に右脳に頼る傾向が強く、恐怖に対しより強い反応を示し、またより攻撃的であり、情報処理に左脳に頼る傾向がある右利きの動物よりもストレス環境下に適応しにくい。」と共同研究者の1人であるクイーンズ大学ベルファストのデボラ・ウェルズ博士は語る。
研究は猫を飼っている家の協力により行われ、計44匹(内メスが20匹)の猫が階段を降りる時やトイレに入る時に、一歩目がどちらの足からなのか、右左どちら向きに横たわるのかなど、3ヶ月間、それぞれの行動について50回観察してもらった。
更に猫たちは3層キャットタワーの中に設置された餌をどちらの手を使ってほじくりだすかのテストもそれぞれ50回ずつ行われた。
結果、人間の90%が右利きであるのに対し、猫全体として右利き、左利きどちらが多いというものはなかった。がしかし、それぞれの猫には「右利き」「左利き」と言うべきハッキリとした利き手(利き足?)があったのだ。
73%の猫は餌に手を伸ばす際「利き手」があった。70%は階段を降りる際にどちらの足を最初に踏み出すかの「利き足」があった。そして66%はトイレに入る際どちらの足から入るかの「利き足」があった。そしてどのテストでも、右なら右、左なら左と決まった法則があった。ただ、右か左どちらに横たわるかについては、全体の25%しか決まった向きはなかった。人間が右向きでも左向きでも寝られるのと一緒だろうか。
さて、性別による利き足の傾向だが・・・研究チームによればオス猫は一般的に左利きが多く、メス猫は右利きが多いそうだ。現在のところ、オスとメスで何故利き足に違いがあるのかは不明らしい。脳の構造と機能によるものであることは間違いないらしいが、詳細については分からないとのことだ。
猫を飼っている方は、ご自分の猫が「右利き」か「左利き」か観察してみてはいかがだろうか。
【ソース:The Guardian】
【ソース:UNEXPLAINED MYSTERIES】