4月15日、時速106,496kmの速さで疾走する小惑星に科学者らが気付いたほんの数時間後に、地球のすぐ傍をニアミスしていたことが分かった。
2018GE3と名付けられたこの小惑星は、アリゾナ大学の月惑星研究所が持つカタリナ・スカイサーベイにより4月14日(土)の夜に発見された。そして、発見から数時間後の米東部標準時間で15日2:41a.m.(日本時間で15日16:41)に、地球に最接近し、たった192,316kmの場所をかすめて飛び去っていった。
専門家によれば、この中型小惑星が万が一にも地球に衝突していれば、局所的な被害を引き起こしていた可能性があるという。
192,316kmといえば、地球-月間の約半分の距離である。小惑星は地球脇をかすめた後、東部標準時間5:59a.m.に月脇をさらに近距離でかすめて飛び去ったとNASAが発表している。
Earthsky.orgによれば、小惑星2018 GEの直径は47m~110m。もしこれが大気圏に突入していれば、大気摩擦により空中分解していたはずだが、一部地表に衝突することも十分考えられる。
小惑星の突入角度やスピード、混合物、衝突場所などの要素によっては、2018 GE3が地球に衝突していた場合の影響は計り知れない。
実は小惑星は誰も気付かないまま、絶えず地球の大気圏内に突入してきている。
2013年には2018 GE3よりは小さな宇宙岩がロシア上空を突き抜け、約1,500名もの人が主に飛散したガラスの破片による怪我で治療を受けるほどの事態となった。
2014年には、過去14年間でなんと26個もの核兵器並の衝撃をもたらす小惑星が地球から発見されたと明らかにした。通常は地球の大気圏がそれら小惑星の突入から我々を保護しており、多くは地球に近付く遥か前に爆発して消滅するという。
Earthsky.orgは15日に地球をかすめた小惑星ほど地球に最接近したものは、過去90年間なかったと説明している。
今回はニアミスで済んだが、こうした小惑星が地球に接近してもたった数時間前にしか分からないことが明らかになってしまったのも事実である。そもそも甚大な被害を与えるほどの小惑星衝突が過去ほとんどないこと自体が奇跡なのかもしれない。
【ソース:Daily Mail】