魔女払いのために壁に埋め込まれた靴

魔女払いのために壁に埋め込まれた靴

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世界には様々な迷信があるが、果たしてこれほど変わった迷信を聞いたことが今まであっただろうか・・・。家の壁の内側に靴を隠す。実は、イギリスの古い家々には必ずと言っていいほど、壁の中に古い靴が隠されているというのだ。一体なぜこんな変わった伝統があったのだろうか。

 

 

2014年、イギリス・ノルウィッチ近郊に住むローラ・ポッツさんが家の改築をしていた際、煙突内の壁の中に片方だけの女性の靴を発見した。歴史学者のマルコム・ガスキル博士によれば、靴は「魔女」の侵入を防ぐためにそこに埋め込まれたものらしい。

 

「近世のイギリスでは、悪魔や霊はもちろん小人、ゴブリンも信じられていましたが、特に魔女は、人と同じ姿をしているため最も恐れられていました。」(ガスキル博士)

 

「更に厄介なことに、大抵の場合その「魔女」は、近所に住む人間に紛れていたのです」

 

つまり、近所に魔女が住んでいたと信じられていた為、魔女から家を守る方法として当時誰もが壁の中に靴を隠していたのだ。言ってみれば保険のようなものだろうか。

 

18世紀から19世紀頃は、こうした超常現象に対する恐怖が最も広まっていた時代だ。

 

一説によれば、靴はそれを履いていた人間の痕跡・気配などが染み込んでいるため、魔女や悪霊に対する「おとり」になり、それを魔女や悪霊が本人だと思い攻撃すると、逆に靴の中に閉じ込められてしまうと信じられていたようだ。

 

煙突は魔女や悪霊が最も家の中に侵入しやすい場所と考えられていたため、煙突内の壁は靴を隠す場所として最も一般的だったようだ。

 

ノーフォーク・ゲルデストンに住むアリソン・ノーマンさんの家でも6年前17世紀頃に造られた暖炉を改築した際、厚紙に包まれた子供靴が発見された。しかし、靴は元農場母屋だった家と同年代のものではなく、恐らく19世紀か20世紀初頭に使わなくなった暖炉を覆う際に隠された物のように思われた。

 

 

2-3歳のものと思われるこの靴には隠す直前に脱いだのかと思うほど靴底に土や草がそのままついていたという。

 

「村の男性が、不幸が戻ってくるから靴を家から取り出すべきではないと私に忠告しましたが、結局靴は取り出し、そして何も不幸は起きていません。」とノーマンさんは語る。
今でもそのような忠告をしてくる人がいるぐらいなのだから、イギリスでは古くからある伝統的な迷信なのだろう。日本人の感覚からすると改築の際にそんな古い靴が出てきたらちょっと気持ち悪いと思ってしまいそうだが・・・。

 

【ソース:UNEXPLAINED MYSTERIES
【ソース:BBC.com

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