見聞録22 アブダクションケースの再考証 〜ヒル夫妻事件②〜

見聞録22 アブダクションケースの再考証 〜ヒル夫妻事件②〜

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“永遠の古典”ヒル夫妻の体験談

異星人による地球人誘拐事件の源流とも言えるヒル夫妻事件。著名なジャーナリスト、ジョージ・A・フラーがヒル夫妻の事件を丹念に調べ、また、逆光催眠の様子を生々しく描写した「THE INTERRUPTED JOURNEY(中断された旅・邦題:宇宙誘拐)」が1966年に出版されてから、それまでは友好的だと信じられていた異星人の姿や目的を一変させてしまった。著書では宇宙船らしき彼らの乗り物に連れ込まれた生々しい様子が逆行催眠によって再現されている。彼らはヒル夫妻を何らかの方法で無力化して船内に連れ込んだ上に、身体実験を行い、さらに記憶まで消してしまった。読むだけで夜間のドライブを控えたくなるような恐怖を覚える体験談は全米で大ベストセラーになったと言われている。翻訳者の南山宏氏はあとがきで「この分野の“永遠の古典”とよんでおかしくあるまい。」と結んでいる。しかし、現代ではこの“永遠の古典”が正しく読まれることはなく、異星人による誘拐事件、すなわちアブダクション・ケースの最初期の事件として、その後の事件と共に大きく一括りにされてしまっている。

 

 

:右)「THE INTERRUPTED JOURNEY」 左)「宇宙誘拐」ヒル夫妻の中断された旅

 

 

体験談を読まなければわからない矛盾点

かくいう私はアダムスキーを出発点としていた立場から、異星人を友好的な存在として捉えて、それだけが正しいと思い込んでいた。さらにアブダクション・ケースなどは眉唾だとするアダムスキー・コンタクティ派にありがちな態度で“永遠の古典”を最後まで読んだこともなかった。そうした態度のためにテレビや雑誌で語られるアブダクション・ケースが事実だと思い込み、それが知識だと勘違いしていた。例えば、アブダクション・ケースとは切っても切り離せない異星人、グレイタイプがいる。彼らの姿は特徴的で背が小さいのに不釣り合いに頭部が大きく、また、その頭部にある目がまた異常に大きく、とても地球人と同じ生命体とは思えない。しかし、ヒル夫妻事件を詳細に記した“永遠の古典”を読んでみると、不思議なことにグレイタイプの異星人がどこにも出てこないのだ。

 

 

ヒル夫妻を誘拐した異星人には瞳があった!

また、アブダクション・ケースに登場するグレイタイプは、その多くが目的も明かさないように、地球人とコミュニケーションを取ろうとしているようには見えない。その態度、行為はまるで家畜と接しているか、研究素材として接しているかのようでもある。こうした彼らの姿や性質、行動はアメリカの著名なホラー作家ホイットリー・ストリーバーが1987年に発表した「コミュニオン(原題: Communion -A True Story)」の影響が強いと思われる。当時300万部以上も売れ、その表紙にある姿の異星人に私も誘拐された!と証言する人が後を絶たなかった。また、映画化されたこともあり、この姿は異星人による誘拐事件のシンボル的な存在になったことはUFO研究家でなくとも認めるところだろう。

 

 

:ホラー作家のホイットリー・ストリーバーによるコミュニオン(原題: Communion -A True Story)

 

しかし、ヒル夫妻の事件とホイットリー・ストリーバー以降の数々の事件の共通点は「誘拐された」という点だけである。それではヒル夫妻を誘拐した異星人はどんな姿だったのだろうか?改めて“永遠の古典”を読んでみると、まず目につくのは逆行催眠時に描いたとされる彼らの姿だ。髪の毛はなく、確かに証言の通り目は横まで伸びて地球人より大きく見えるが、明らかにグレイタイプは異なることがわかる。何より、瞳があるのだ。グレイタイプは瞳のないアーモンドアイと呼ばれる黒い目が特徴的だが、ヒル夫妻たちを誘拐した異星人たちには瞳があったのだ。

 

 

決定的な証言に驚愕

さらに読み進めていくと、夫のバーニー・ヒルが回想しているシーンがあるが、この中でマゼラン海峡に住んでいたある部族と、誘拐した異星人たちがそっくりだったと書いてあるのだ。二人はそのスライド写真を見て「激しいショックを受けた」と回想している。つまり、ヒル夫妻を誘拐したとされる異星人はグレイタイプではなく、地球人と変わらぬ顔だったことがすでに“永遠の古典”で証言されていたのだ。奇しくも2018年に入ってから某テレビ番組でこの部族に関する特集が組まれていたが、この写真を見て私も大きなショックを受けた。なぜなら、妻であるベティ・ヒルが後年出版した「A Common Sense Approach to UFOs」にある異星人の模型写真とその部族、セルクナム族の写真が酷似していたからだ。さらに興味深いのは番組ではセルクナム族を日本人に似ていると紹介していたが、ベティも彼らを「モンゴロイド的に見えたわ」と証言していたのも実に興味深い。皆さんも是非「セルクナム族」で画像検索してみてほしい。すぐに似たような写真を見つけることができるだろう。しかし、“永遠の古典”を改めて読み進めていくと、その姿以外にも彼らの目的や驚くべき情報が綴られている。それは本当に誘拐だったのだろうか?という疑問すら湧いてくるのだ。(以下次号)

 

 

:ベティ・ヒルが自ら出版した「A Common Sense Approach to UFOs」

 

 

参考文献
「宇宙誘拐 ヒル夫妻の中断された旅」(1982)ジョン・A・フラー著 角川文庫
「コミュニオン 異星人遭遇全記録」(1994)ホイットリー・ストリーバー著 扶桑社
「A Common Sense Approach to UFOs」(1995)Betty Hill

 

 

日本UFO調査・普及機構
代表 加藤純一
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