木星スイングバイを利用し冥王星探査に向かったNASAの太陽系外縁天体探査を行う無人探査機「ニュー・ホライズンズ」が2015年に撮影した画像の中に、「宇宙カタツムリ」ともいえるべきものが映っていたことが明らかになった。しかも、この「カタツムリ」を思わせる巨大生物の後ろには這った後かのような痕跡も残っている。
衛星画像は、冥王星の氷の平野「スプートニク平原」上空を飛行中に無人探査機「ニュー・ホライズンズ」に搭載されたモノクロ望遠カメラ「LORRI (Long Range Reconnaissance)」が、撮影した。当然のごとく、この「巨大カタツムリ」により地球外生命体発見への期待が高まっている。
画像解析をした天文学者マルク・ダントニオ氏は「ニュー・ホライズンズはこれまでに見たこともない、前代未聞の光景を見せてくれました。」
「光景の中にはカタツムリのように見える物体もあります。殻や頭のようなものも見えますし、とても奇妙な物体です。」(同氏)
「這った跡のようなものも残っています。これは本当に冥王星の宇宙カタツムリなのでしょうか?」(同氏)
しかし、NASAの見解は違うようだ。
NASAの説明によれば、矮星に降格されたとはいえ冥王星は地質学的に非常に活発な星で、地表内部の凍った窒素の海が高い圧力の影響を受けて液体のように対流しているという。窒素は何千年もかけて地表に押し上げられるが、凍った水は凍った窒素より密度が低いため、巨大な氷の塊が地表に押し上げられた窒素の上を漂流しているのだという。
よって、NASAは「巨大カタツムリ」の正体は汚れた水でできた氷が、密度の違いから個体窒素の対流により引っ張られて動いているだけに過ぎないという。
ニュー・ホライズンズ地質・地球物理学およびイメージング(GGI)チームの副リーダー、ビル・マッキノン氏は次のように語った:
「冥王星のこの場所はLAVAランプ(※)のような動きをします。ハドソン湾と同じくらいの大きさで、より深いLAVAランプを想像していただければわかるでしょうか。」
※ラーヴァ・ランプ
ガラス瓶の中に2種類の液体を入れ、下から電灯などで照らした熱で液体を対流させその形や動きを楽しむインテリア用ライト
【ソース:Daily Express】