見聞録4「ケネス・アーノルド事件 空飛ぶ円盤70周年に寄せて」

見聞録4「ケネス・アーノルド事件 空飛ぶ円盤70周年に寄せて」

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6月24日は空飛ぶ円盤の日!

UFO研究者にとって毎年6月24日は重要な日だ。そう、この日だけは特番でもないのにマスコミでも取り上げてくれる「空飛ぶ円盤の日」だからだ。加えて今年は大きな節目の年でもある。それは「空飛ぶ円盤=Flying Saucer」の語源となった「ケネス・アーノルド事件」からちょうど70年を迎えるからだ。そこで今回はUFO・空飛ぶ円盤などと混在する単語を整理しつつ、70年もの昔に一体何が起こったのかも探ってみたい。

 

UFOは「ユーフォー」ではなく・・・

まず現代の一般的な呼称である「UFO」を紐解いていこう。日本では「ユーフォー」と呼ぶが、本来は「ユー・エフ・オー」と区切って発音するのが正しいようだ。しかし、日本のテレビでは昔からナレーションも、専門家と言われる人でさえも「ユーフォー」と呼び、私もそれに慣れ親しんできた。そういえば、焼きそばも、ピンクレディーも、アニメでも日本ではUFOは「ユーフォー」だ。今さら厳密に指摘する必要はないかもしれないが、私が海外のUFO研究家と対話した時に発した「ユーフォー」は全く通じなかったこともあり、現在は講演などでも極力正しい発音を心掛けている(長年の癖で毎回苦労しているが…)。海外のUFO研究者たちの講演を聞くとわかるが、やはり冒頭のように区切って読むのが正解だ。UFOとはそもそも「Unidentified Flying Object」の頭文字をとった略称であり、その略称たる「U・F・O」から「F」だけをわざわざ取って「ユーフォー」と発音するのは日本くらいかもしれない。ある時、NHKのニュースでアナウンサーが正しい発音でUFO事件を紹介していたのを観てさすがは天下のNHKだ!と感心したことがある。ちなみに「ミステリー・サークル」も日本だけの独自の呼び名で、海外では「クロップ・サークル」と呼ばれている。そう、畑(CROP)にできる輪だからだ。

 

UFOは軍事用語だ

さて、「UFO/Unidentified Flying Object」は、米軍が通常の航空機等と区別するために制定した軍事用語だ。また、その意味は「未確認飛行物体」だが、用語規程を調べてみると「宇宙人の乗り物」という意味は全く含まれていない。また、別な天体からやってくる、という示唆もない。しかし、私の団体で実施したアンケート調査を見てみると48%、つまり過半数の人々がUFOを「宇宙人の乗り物」と回答している。なぜこんなにも私たち日本人はUFOを「宇宙人の乗り物」として捉える傾向が強いのだろうか?この興味深い結果についてはまた別な機会に改めて考察していきたい。

 

 

ところで「UFO」と呼ばれる前、この謎の飛行物体は「Flying Saucer」と呼称されていた。昭和の時代を知る日本人なら「空飛ぶ円盤」という呼び方に郷愁を覚える方も多いだろう。この「Flying Saucer」の語源となったのが1947年6月24日に米・ワシントン州で起こった9機の編隊と遭遇した「ケネス・アーノルド事件」だ。この事件の模様を聞いた新聞記者が「Flying Saucer」の名付け親であり、AP電を通じて事件の概要が配信されたことにより、世界中の人々が「謎の物体が空を飛んでいる」ことを知ったのだ。

 

謎の先遣隊が全米を横断・・・円盤伝説の始まり

しかし、実際の目撃事例では、円盤だけでなく、葉巻型や球形など多種多様な形状が報告されており、さらには最初の目撃者であるケネス・アーノルドによる事件をまとめた著作「The COMING of the SAUCERS」(日本未邦訳)によると、遭遇時に先頭を飛んでいたのは「円盤」ではなく、ブーメラン型だったことが明示されている。

 

 

このようにUFO問題は極めて初期の段階から情報伝達が不正確であったり、用語が一人歩きしたり…それだけに真相究明が難しい面もある。しかし、一つだけ明確なのはUFO研究にとって1947年は間違いなく重要な年であることだ。それは以下の出現記録からも感じ取っていただけるだろう。

6月14日 ニューメキシコ州 ロズウェルで謎の残骸発見
6月24日 ワシントン州 9機の編隊に遭遇
7月4日 ワシントン州 シアトルにFlying Disksが出現
7月4日 アイダホ州~オレゴン州 9機の編隊が飛行
7月7日 ミシガン州 小型のDiskが2機出現
7月7日 ケンタッキー州 3機の編隊が音もなく出現
7月10日 アリゾナ州 奇妙な形の物体が出現
7月10日 ニュージャージー州 同空港上空に4機の物体が出現

これらの正体不明、所属不明の飛行物体が6月から7月にかけて突如として戦勝国・アメリカ合衆国の上空に出現し、いとも簡単に領空侵犯していたという信じ難い事実。そして、これを機に日本を含む世界中で謎の飛行物体が出現し、目撃されていくことを考えると1947年がUFO研究にとっていかに重要な年であったかご理解いただけるだろう。さらに想像力を膨らませて当時に思いを馳せてみると、ケネス・アーノルドがあの日に遭遇した9機の編隊は後に続くための地球への「先遣隊」だったのではないだろうか?

新たな仮説を胸に空飛ぶ円盤70周年を祝いたい。

 

<参考文献>
Kenneth Arnold & Raymond Palmer(1952)『The COMING of the SAUCERS』
日本UFO調査・普及機構(2006)『UFO Report Japan』 Vol.19

 

日本UFO調査・普及機構
代表 加藤純一
公式ホームページ
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電子書籍「UFO?飛翔体 遭遇とその軌跡」